猛暑炎天の夏もようやくひと段落し、秋の気配がただよう昨今です。
皆様方におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、正行院では、毎年11月3日「文化の日」にお十夜法要を執り行います。
当山の開山上人、観誉祐崇上人は名僧の誉れ高く、宮中に上って浄土の法門を後土御門天皇に後進講されたところ、叡感極めて篤く、明応四年(1495)の10月、大本山光明寺で「十夜法要」を行うことを勅許されました。後土御門天皇の時代は、いわゆる戦国時代で、打ち続く戦乱の中で庶民は生活に困窮し、まさに餓鬼・地獄の様相を現していました。天皇はいたくこの事を悲しまれ、一日も早く安穏に暮らせるように平和と安泰を望まれ、勅許されたのです。以来今日に至るまで500余年の間、年々歳々、11月を期して奉修されてきました。今日では全国の浄土宗の寺院に於いて盛んに行われています。
当山の十夜法要は、古式にしたがい、引声阿弥陀経・引声念仏によって行われています。
お念仏のみ教えが世に光明となって弘まる時、今の世、後の世に安楽な生活が約束されるのです。
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